初心者のための簡単な俳句の作り方

俳句の基本。俳句は十七音

俳句は十七文字でなく十七音。

俳句を作るのに、十七文字と思っている人も多いのですが、それは間違いです。

十七音です。

説明しますと

古池や蛙飛びこむ水の音
読み方は
ふるいけやかわずとびこむみずのおと

となり、これは確かに十七文字です。しかし、

貰ひ来る茶碗の中の金魚かな
読み方は
もらいくるちゃわんのなかのきんぎょかな

となり、十九文字になります。「ちゃ」と「ぎょ」が二文字になるからです。しかし俳句においてこれは一音として数えます。

他にも小さな「わっか」などに使われている「わっ」のような言葉も一音として数えます。
十七文字というと間違いやすいので十七音と覚えておきましょう。

初心者のための簡単な俳句の作り方

もっとも簡単な俳句の作り方を説明します。

上に書いたように俳句というのは季語を含む五七五の十七音で出来ています。

もっとも簡単に作ろうと思えば、

『季語』+『季語に関係の無いこと』

で作るというやり方があります。

「コスモス」という季語で作ってみましょう。

「コスモス」は四音なので、五音にするのに何か足す必要があります。「コスモスの」「コスモスを」「コスモスに」などなど様々なものがつくのですが、ここは俳句らしく「コスモスや」としましょう。
「や」は切れ字と呼ばれ、強い詠嘆を表します。

簡単に言うと「コスモスや」と書いたら「素晴らしいなぁコスモスが咲いているんだなぁ」というような意味になります。

・コスモスやもうすぐ妻の誕生日

あまり大した句ではないかもしれませんが、どうでしょうか?あくまで「コスモスや」以降はコスモスと関係のないことを書きました。

失敗例を挙げましょう。

・コスモスや風に揺れたるこころもち

一見いい句に見えるかもしれませんが、これは俳句としては失敗と言えます。「風に揺れる」というのはすでに「コスモス」という言葉の中に含まれているからです。

風に揺れる。ピンク。儚げ。などコスモスという花にもつイメージはコスモスに任せることが俳句のコツです。

・コスモスや風に揺れたるこころもち

この中の「風に揺れたる」はコスモスの説明に過ぎないわけで、書かなくてもいいことなんです。

これを推敲するならば、「風に揺れたる」を変えます。

・コスモスや医者に行きたいこころもち

推敲前はコスモスしか見えなかったのが、コスモス+人物のイメージが広がって来ませんか?

⇒季語と関係ないことを書くというのは、季語の説明や季語が持つ意味の重複を避けるという意味です。

季語の力

さて、俳句にとって季語はどんな力をもっているんでしょうか?

・コスモスやもうすぐ妻の誕生日

を例に考えてみましょう。
これを例えば

・ひまわりやもうすぐ妻の誕生日

コスモスの句と比べてどうですか?

コスモスの句に出てくる妻よりひまわりの句に出てくる妻の方が若く元気な気がしませんか?

このように季語はその句全体に影響を及ぼします。句の全体をラッピングしているようなイメージです。ラッピングの具合で雰囲気は変わりますよね。
季語はそのように句のイメージを変えてくれます。色々な季語を当てはめてみて一番しっくりくるものや面白いものを作ってみてください。まずは習うより慣れろ。

怖がらずにたくさん作ってみましょう!

中にはこのような状態の句を「季語が動く」つまりどんな季語でも成立するという方もおられますが、まずはこのような作り方に慣れていくことが大切だと思います。