新年の季語『新年』

新年の季語『新年』

解説
新しい年のこと。正月のこと。陰暦では新年と春がほぼ一緒だったので新春とも言う。同義の季語に『年新た』『年立つ』『年迎ふ』『年の始』『新玉の年』『年始』『改まる年』などがある。

新年の有名な俳句と解説

年新た此処から空がいつも見え 池田澄子

解説:新年の俳句と言えば池田澄子の俳句が好きです。
『年新た(としあらた)』というと新年より動きのある表現です。年が新しくなるという感じがありますが、その時も空がいつも見える場所にいるというわけです。「いつも見え」と書かれてありますから、恐らくその場所は日常的に使う場所なのでしょう。例えばベランダとか。
しかし考えてみれば、空の見え方というのは一つとして同じ見え方をしません。いつもどこか違っています。

犬の鼻大いにひかり年立ちぬ 加藤楸邨

解説:人間探求派と呼ばれた俳人 加藤楸邨の作品です。犬の鼻はいつも濡れていますからだいたい光っているわけですが、大いに光って新年となったというわけです。しかしこう言われてみると、特別な光をはなって年が変わったように思えますね。加藤楸邨は古い俳人ですから、もしかするとお正月前に電球を替えていたのかもしれません。すごいことを言ってるわけじゃないのに超常的な雰囲気さえ感じる句です。

女の手年の始の火を使ふ 野澤節子

解説:脊椎カリエスを患って長い闘病生活を送った野澤節子の作品です。女の手という言葉にどこか投げやりな印象がありますよね。「年の始の火(としのはじめのひ)」とは言うものの、女の仕事は変わらないと言った感じがします。しかしながら、「水」ではなく「火」としたのは女性の中の信念のような熱いものも感じます。

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