冬の季語『十二月(じゅうにがつ)』

冬の季語『十二月(じゅうにがつ)』

解説
1年の終わりの月で、月が改まったときからその年の総決算の思いは高まるものの、あわただしく過ぎてしまう月でもある。極月ともいう。

遠い木が見えてくる夕十二月  能村登四郎

鑑賞:あんなに茂っていた木々も秋も終わって、すべての葉を落としてしまいました。すると、今まで見えていなかった遠くの木が目に入ってきたのです。夕日に照らされながら、その木もまた本格的な冬を待っているのだなと感慨深くなるのです。

「十二月」といえば

次の年を、気持ちよくスタートするための、準備期間だと思います。この月は特別で、1年の総まとめを意味しています。『月』といいながら、今年がいい年だったかどうかという思いをこの月に突き付けられ、月の代表がゆえに、この月だけでまるで1年のような意味合いを持ち合わせられるのです。

そして、他の月では行わないが、12月という月だからこそ行わなければならないことがあります。今年の目標を総決算するという意味でも、やはり12月はその年の代表です。リレーであるところのアンカー的存在なので、12月ひと月で、それまでできなかったことを、一気に取り戻してやり遂げさせようとするのです。

ですから、12月という言葉を聞くだけで気持ちはソワソワ、ワクワク、セカセカと、心が躍ります。心の中では12月に入る瞬間、他の月を迎えるときには感じることがなかった、気持ちのスイッチが入り、自然に慌ただしくなるのです。

とは言っても、次の一年に繋がる月でもある12月は、新しい年を出発する大切な大きな区切りでもあります。この月が難なく満足がいくように過ごして、今年はいい年だったと自己満足に浸りたいです。

また、やりきれなかったことは、しっかりと反省してそこからリセットします。来年こそはと、新しい年へ再スタートするための、助走を行うのもこの月となるからです。

そうすることで、来年が今年よりもいい年となるように、今年よりも、もっと高いところを飛んいくのだという思いを、募らせる月となるのです。

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