冬の季語『柚子湯(柚子湯)』

冬の季語『柚子湯(柚子湯)』

解説
二十四節気(にじゅうしせっき)の冬至の日に入る習わしになっている柚子を浮かべた風呂。柚子風呂でも季語となる。体があたたまり無病息災の意味があるとされ、冬の折返し地点に柚子湯に入ることで冬を乗り切ろうという気持ちになる。

※二十四節気:1年を24等分しその節目節目に名称を与えたもの。

季語『柚子湯』の俳句と鑑賞

柚子湯出て妻のクリーム少し塗る 雨宮昌吉

鑑賞:寒い季節ですから、皮膚の乾燥もひどくなります。柚子湯に入って気持ちもあたたまったのか、妻のクリームを少し塗ってみたという句なのですが、恐らく普段はそんなことをしない人なのでしょう。
だからこそ自分でも驚いて句にしたんだろうと思いませんか。日常に彩りを与える柚子湯だからこその光景です。ちょっとかわいいお父さんという感じですね。

吾子はみな柚子湯の柚子を胸に抱き 山口青邨

鑑賞:吾子(あこ)とは自分の子供のことです。吾子俳句・孫俳句は嫌われることが多いのですが、上手くいくコツとして突き放して観察するというのがあるんじゃないでしょうか。この句の中に吾子がかわいいというような言葉は何ひとつ出てきません。
逆を言えば吾子俳句・孫俳句に失敗例が多いのは突き放せないからとも言えます。なぜなら、子供や孫がかわいいという気持ちはその家族だけのもので周りには伝わりにくいからです。俳句の短さであればなおさらですよね。

さて、この句ですが、柚子湯に浸かる子供たちを上手に表現しています。しかも「みな」という言葉がありますから、3人以上の子供が湯船にいるんじゃないでしょうか。それぞれがそれぞれの柚子を抱いているわけです。

このように「そういうことあるある!」というのも俳句の作り方のひとつです。

こちらも参考にどうぞ

冬の俳句の作り方

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です