冬の季語『ストーブ』

冬の季語『ストーブ』

解説
暖房器具のことです。今では『電気ストーブ』『ガスストーブ』『石油ストーブ』など様々なものがありますが、全て季語として使えます。ストーブを前にして暖をとっている姿は人間らしい姿で、少し滑稽でもあります。また、その背中にはどこか哀愁があります。
また、ストーブという言葉の響きに家庭の温もりも感じます。

句に入れることでそのようなイメージをもたらす効果があります。

また、『暖炉』『ペチカ』も古い言葉ですが季語になっています。

季語『ストーブ』の俳句と鑑賞

ストーブに温まりゐし手と握手 星野立子

鑑賞:星野立子は大俳人である高浜虚子の娘になります。

「温まりゐし」は「あたたまりいし」ですね。温まっている手ということです。
この句の良いところはストーブで温まっている手と握手ですから、自分の手は冷たいというところです。書かれていませんがわかりますよね。このように暗に意味を込めることで、自分の手の冷たさをより強調しているというわけです。

また、相手の手の温もりやどのように温まったかを知っているということは相手に好意を寄せているからでしょう。淡い恋心も感じる一句です。

夫人の手ひらひら煖炉ともさるる 藤田湘子

鑑賞:わかりやすくも厳しい俳句入門書を書いたことでも知られる藤田湘子の一句です。「煖炉」は「だんろ」と読んで「暖炉」の別の感じです。

この真中にある「ひらひら」がポイントですね。

「夫人の手がひらひら」となれば、その動きの美しさ夫人の手の美しさのイメージになりますし、「灯った火がひらひら」となれば、火のつく様子になります。

どちらが正しいということではなく、どちらにもかかるように作ってあるわけです。さすがの一句です。

ストーブの明るくなりて椅子の影 山口青邨

解説:山口青邨(やまぐちせいそん)の句です。

ストーブが明るくなって、椅子に影が出来た。

と意味はそれだけですが、ストーブがつく前の家の様子がわかりますよね。おそらく暗く、寒かったのでしょう。そこに人が帰ってきて、部屋の明かりより先にストーブをつけたわけです。
しかもストーブの明るさが椅子の影を作るまで、彼は部屋の明かりをつけなかった。ストーブの前でじっとしていたわけです。

短い句ですが、読み取っていくと内容がとても深いことがわかります。

※実はこの俳人は昔の人で、今のように電気が通っていたかはわかりません。しかし、今読んでもこの一句から読み取ることができるものはたくさんあります。

こちらも参考にどうぞ

冬の俳句の作り方

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