冬の俳句の作り方
冬の俳句の作り方としては、冬の季語を考えていく必要があります。
その中で、その季語がどのような印象を持っているのか、ということを考えましょう。
例えば『木枯(こがらし)』『北風』『雪』『ストーブ』などという季語にはどこかさみしげで悲しい表情があります。例えばそこに悲しい言葉を合わせると、イメージが濃すぎたり、予定調和に陥りがちになります。
そこでちょっとズラしたことを言う。
木枯しや小学生の立ち話 藤堂洗火
こんな感じになると、木枯しの季語が効いて、それを見ている作者の郷愁が伝わってきそうですよね。うまく季語が作用している例だと思います。
悲しい×悲しいという世界は演歌の世界に任せておきましょう。俳句はそこで完結させなければなりませんからできるだけイメージを膨らませていきたいものです。
また、『湯たんぽ』『炬燵(こたつ)』『おでん』『焼藷(やきいも)』などという人間臭い季語にはちょっと硬めの事柄を柔らかくしてくれる効果があります。
やんはりと叱られてゐるおでんかな 山本あかね
叱られている情景を見事にやわらかくしてくれてますよね。
これは別におでんが叱られているわけではなくて、「ゐる」のあとに切れが入ります。
やんはりと叱られてゐる…おでんかな
もっと言えば、切れは改行(それ以上のことも)くらいの意味がありますから、
やんはりと叱られてゐる
おでんかな
くらいに別れます(切れています)。
「作者か誰かが叱られている。目の前ではおでんが煮えている。」くらいの意味です。これから一緒に食べるのでしょう。恐らくそれほどひどく叱られてはいないんでしょうね。
寒い冬ですから、人間同士はやっぱり仲良くするのが一番ですもの。
このように、茶目っ気のある季語が作用すると良い効果が出ることが多いです。
切れについてはこちらの記事をどうぞ
冬だって俳句があれば楽しい
何かと厳しい冬ですが、俳句をやっている人間には詠むことがたくさんあって楽しいです。雪が降れば雪を、風邪をひけば風邪をネタに俳句を作ることができるわけですから。
セーターや手袋、マフラーなんていうのも季語になっています。本当に身近な場所にたくさんあるのでそれらを見ながらぜひ俳句を作ってみてください。
冬の季語についての記事はこちらです