秋の俳句の作り方
秋の俳句の作り方としていちばん重要なのは、季感(季節の感じ)をとらえるということです。秋の季感は『澄む。澄みわたる』ということですね。その中で秋の季語を考えていく必要があります。
秋は、夏の鬱蒼(うっそう)とした感じがなくなり、冬に近づいていきます。冬になるとそれはそれで厳しい季節ですが、秋は春と並んで過ごしやすい季節です。空気は美しくなり、目の前が澄みわたります。秋晴れの紅葉などが美しいのは澄んだ空気のせいもあるでしょう。
そのような季感を大事にして俳句を作るのがコツです。
例えば『爽やか(さわやか)』『新涼(しんりょう)』『天高し(てんたかし)』『星月夜(ほしづきよ)』などという季語にはどこかきれいな空気の中にいるようなイメージがありませんか。夏に水蒸気などでムンムンとしていた空気が秋になると透き通った感じになることを覚えてしいと思います。
例えばそこに同じようなイメージ合わせると、イメージが濃すぎたり、予定調和に陥りがちになります。
また、『冷ややか(ひややか)』『肌寒(はだざむ)』『夜寒(よさむ)』などといって寒さのようなものも秋の季語です。冬の到来を感じさせる季語ですね。実際お盆の頃から暦の上では秋ですから、暑さ~寒さまでを含んだ季節になっています。逆に言えばそれだけ作りやすいとも言えるでしょう。
くろがねの秋の風鈴鳴りにけり 飯田蛇笏
季語は『秋の風鈴』です。風鈴だけでは夏の季語ですがこれは「秋の」と書いてありますから当然秋の句ですね。有名な一句です。ただの風鈴ではありません。「くろがねの」風鈴です。この金属感がいかにも高い音を澄んだ空気の中に響き渡るような感じがしませんか?
名月を取てくれろと泣く子かな 小林一茶
有名な小林一茶の一句です。「取てくれろ」は「とってくれろ」と読みます。秋といえば『月』も忘れてはいけません。空気がきれいだからこそ月が大きく見えるわけです。その名月の大きさや存在感を、子供が「あれとって!」とダダをこねる様で表現した名句ですね。
俳句はモノで表現するわけですが、子供に言わせるというのも一手です。例えば子供がいなくても構いません。「俳人は見てきたように嘘を言い」と言って、必ずしも本当のことでなくても構わないのです。
電車で隣りに座った子供の発言でもなんでもアレンジして俳句に折り込みましょう。
簡単な俳句の作り方はこちら
秋は俳句が作りやすい!
名月は誰もが知っていますよね。SNS上では「スーパームーン」などと言って画像などもたくさん見られます。
そういったものも参考にしながら俳句を作ってみましょう。
食欲の秋、行楽の秋、体験することがたくさんあります。近所の公園の紅葉を見に行くのもいいですね。コオロギなんかの声を聞くのも俳句のネタになります。
暑さ~寒さまでカバーしている秋は俳句を作りやすい季節です。秋の夜長に俳句を作るなんてちょっと素敵だと思いませんか?
秋の季語
秋の季語についての記事はこちらです。